トム・アサカワの世界のおさかな事情
私は、日本の高校を卒業後、州立オレゴン大学に留学、数学科で学位を修めました。この頃、同大学の先輩がオレゴン州アストリアで日本市場向けに筋子の加工を開始しました。大学卒業前2年間の夏休みの学費稼ぎにその仕事を手伝ったのが水産業界に関わるきっかけになったのです。大学を卒業して帰国後先輩の会社に就職し、5年ほどアラスカでサケやカニの買付、筋子の加工に従事しました。その時の経験から1980年代半ばに、アラスカ州政府の日本市場の担当者として勤務。その後、在日アメリカ大使館商務部の水産貿易担当官として奉職しております。長年にわたり日本と米国の水産貿易の促進をはじめ業界間の交流の架け橋として尽力し、両国の多くの業界関係者との信頼と人望を築いたと自負しております。米国大使館退官後においては、これまでの国際的視野からの水産貿易分野の経験を活かしコンサルタント業を行う傍ら、水産市場流通の専門紙に5年間にわたりコラム「世界の水産事情」を執筆しています。そこで今回、これまでに執筆した内容をまとめ「トム・アサカワの世界のおさかな事情」として発刊するものです。
本書の内容は、米国をはじめ海外のメディア媒体に掲載された記事にうち、トピックス的なものや米国での水産業界情報として、例えば米国輸入水産物モニタリング・プログラムや議会での新たな漁業規制の動きを紹介。また、急激な進出でいろいろな歪みが見られる中国の情報、水産食品や肉の消費の動向、関連する食のトレンド。さらにはSDGsに向けた環境絡みの動きや動物福祉など日本では、まだ聞き覚えのない事例、植物由来の養殖餌料や代替え水産物・人工肉などの新技術情報の動きを紹介しています。また、仕事で訪れた各国のシーフード・ショーの概要も合わせて紹介しています。
日本と米国をはじめ世界の水産物事情を理解する内容が網羅されており、水産業界者ばかりではなく、広く水産物の消費・生活者をはじめ、水産や食品学を学ぶ学生諸君あるいは、水産企業の新入社員の副読書など、各方面に世界の水産物事情の知見を持ってもらえる一助となることを願い、発刊しました。
型番 |
978-4-89290-063-1 |
定価 |
2,200円(税200円) |
販売価格 |
2,200円(税200円)
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購入数 |
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